ダブルスでは、2人のポジションの取り方が、攻撃においても、守備においても重要になります。これからサーブ周りでのポジション、攻撃の際のポジション、守備の際のポジションをそれぞれ説明していきますので、練習の中で実践できるように意識しましょう。
サーブ周りでのポジション
サーブ周りでは、サーバー側とサーブレシーブ側でポジションの取り方が異なります。
(1)サーバー側でのポジション

水色のユニフォームの2人に注目してください。サーバーのパートナーは攻撃的なサーブレシーブに備えて、腰を少し落とし、足を左右に開いてレシーブの体勢を取っています。
このようなサーブは115㎝より下からシャトルを打つ必要があり、必ずネットへ打ち上げるショットとなるため、守備の体勢から入ることが大切です。
(2)サーブレシーブ側でのポジション

今度は赤いユニフォームの2人に注目してください。サーブレシーブする人、そのパートナーともに半身になり、前後に早く動き出せるように構えています。
2人はラケットを上げ、軽くひざを曲げ、早く動き出せるように工夫しています。
サーブレシーブ側はネットを越えてくるシャトルをできるだけ前で、高い位置でとらえることが重要になります。サーバー側と異なり、より攻撃的なポジションを取っています。
攻撃においてのポジション
攻撃のフォーメーションであるトップ&バック(以下、T&B)では、より攻撃的なポジションの取り方をしています。特に前衛のポジションに注目してほしいと思います。
(1)前衛のポジション1

赤いユニフォームの2人に注目してください。攻撃のフォーメーションT&Bをとっています。特に前衛の位置に注目してください。
前衛は後衛の攻撃に対する返球を前で叩くことが重要な役目になります。そのため、前衛は速い返球に備えて、ショートサービスラインからラケット2本分くらい後ろに構えています。
中学生は前衛がショートサービスラインくらいに位置して、前で叩けないことが良くあります。この写真を参考に前衛のポジションを学びましょう。
(2)前衛のポジション2
T&Bは縦に2人が並び、攻撃に適しています。その一方、左右に振られることが弱点となります。相手はどんどん左右に動かしてきます。ですので、左右に動かされた中で、より攻撃的なフォーメーションを取らなければなりません。

赤いユニフォームの2人に注目してください。T&Bの後衛が右サイドに動かされています。この場合の前衛を見てください。センターにとどまっていません。
後衛が右側に移動するのにともなって、前衛も右サイドに移動しています。これは、後衛がストレートとセンターを中心に攻めることを予測して、前衛はより返球に反応しやすいポジションを取っています。
この場合、後衛がクロスへスマッシュを打つと、場合によっては前衛の反応が遅れてしまいます。

ここでは反対に後衛が左サイドに動かされています。この場合、前衛は先ほどとは反対に、左サイドへポジションをとってより返球に早く反応できるようにしています。
このように、T&Bでは後衛の動きに合わせて、前衛が平行移動することが正解です。
補足ですが、では後衛がクロスへスマッシュを打った場合どうするかですが、前衛はクロスを打ったことが分かった瞬間にクロス側にポジションを移動し、ストレートへの返球に備えます。
ですので、基本的には後衛はストレートとセンターに打つことが基本です。ですが、後衛がクロスを攻める場合には、前衛が素早く反応してクロス側のケアに入ることも大切な約束事です。
守備においてのポジション
ダブルスは2人で攻めてきます。よって、シングルスに比べて、非常に攻撃的で速いテンポでの攻撃となります。そのため、ダブルスの守備ではより効率的に守れるフォーメーションのサイド・バイ・サイド(以下SbyS)をとります。
SbySはコートの横に2人が並び、コートを分担して守ることとなります。このSbySにも弱点があります。それは、2人の間です。2人の間へのショットはどちらがとるか迷ってしまい、2人で手を出す場合や、2人とも手を出さずにお見合いをしてしまうようなケースが見られます。このようなことを防ぐための工夫が求められます。
二等辺三角形で守る

赤いユニフォームの2人に注目してください。T&Bの水色のユニフォームの選手は右サイドから攻撃しています。この場合、SbySの選手はT&Bの攻撃してくる選手に対し、二等辺三角形のポジションをとります。
この場合、赤いユニフォームの2人は、全体的に右サイドに寄ったポジションをとっています。これは、赤の右側の選手が一番厳しいコースである、ストレートスマッシュのコースを重点的に守るためです。
また、赤の左側の選手はセンターラインにより、一歩程度前に出てポジションをとります。そして、攻撃してくる選手に対して、正面を向くように構えます。
これが二等辺三角形で守るということになります。

今度は先ほどとは反対に水色のT&Bの選手は左サイドから攻撃を仕掛けています。この場合赤いユニフォームの2人は全体的に左によりポジションをとっています。
そして、赤い左側の選手はサイドラインへのスマッシュを警戒してコースをふさぐようにポジションをとり、右側の選手はセンターライン側により、センターへのスマッシュとクロスへのスマッシュに対処できるようにポジションをとります。
これで二等辺三角形で守るということになります。
補足ですが、二等辺三角形でポジションをとる場合、攻撃してくるサイドの選手は全力でストレートスマッシュを返球するように注意します。一方クロス側の選手はできるだけ、センター、クロスのスマッシュを返球できるように注意します。
以上が場面別でのダブルスのポジションの取り方となります。意識して、より効率的な攻撃、守備ができるように練習しましょう。
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