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勝利の栄光を君に №4

『中国バドミントン強さの秘密』から考えるバドミントンの戦術

『中国バドミントン強さの秘密』において、「バドミントンの戦術の思想を指導するということは、技術のありようと打法をプレーヤーに身につけさせることだ」として次のように述べています。

快(速く)、狠(果敢に)、確(正確に)、活(活発な)技術風格を貫くとともに、自主性、スピード、攻めを主眼とした積極的、主導的な打法を身につけさせることとしています。

具体的に快(速く)、狠(果敢に)、確(正確に)、活(活発な)技術風格とはどのようなものか。自主性、スピード、攻めを主眼とした積極的、主導的な打法とはどのようなものか説明します。

4つの技術風格とは

下記のような技術的な基礎を身につけなければならないとしています。

快(かい)判断・反応を速く、スタート・戻りの動作を速く、移動を速く、ストローク動作の遂行を早くするこ
と。突撃進攻を速くし、守りから早く攻めに転じる。
狠(こん)進攻が猛烈、フライトコースが変化し、プレースメントが抜け目なく、有利な戦機を見逃さず、連続
した進攻ができ、1球で勝負を決めることができる。
確(かく)スピードがあり、変化の多いゲーム展開の中で戦機を掴み、技術も正確に取得していて、自在に活用
できる。プレースメントが正確。
活(かつ)グリップ、スタンス、フットワーク、戦術の変化等が敏活でなければならない。

3つの積極的、主導的な打法とは

自主性相手の影響を受けず、自分の得意とする技術や打法を積極的に展開する。相手の矛先をかわし、得意技術を発揮させないようにする。戦術を常に変化させ、試合の主導権を握る。
スピード時間・スピードを争って、チャンスを掴み次第すぐに戦局を勝ち取る。ただし、戦術を変えるために時にはスピードを落とす。
攻め攻撃は得点を得るための最も優れた手段であり、いかなる時も攻撃を戦術の第一主眼とする。守りにおいてもフライトやコースを変化させ、守りから積極的に攻めに転じられるようにする。

これらの技術風格と積極的、主導的な打法を身につけることが戦術思想を指導するということとなります。

また、戦術を活かすために、目的を達するために下記の4つの戦術的要求があります。

4つの戦術的要求とは

  1. 相手の位置取りを外させる。適切なポジションを取れないようにする。
    相手は通常、コート全体、各コーナーに気を配れるようにポジショニングしている。このような適切な位置取りをされている時には、シャトルに間に合わなくさせることは難しい。このポジションが取れないようにすれば、コートに空きが生まれ、それが攻撃目標になる。
  2. 相手に浅いクリアを打たせる。
    ドリブンサーブ、スマッシュ、速いドロップ、ヘアピンなどは充分な返球が難しい。クリアーも浅くなることが多い。相手に中途半端なクリアーを打たせることができれば、それをとらえて、高い打点から強打し、致命的な打撃を与えることができる。
  3. バランスを崩させ、重心を失わせる。
    リピートショットを打つ、ディセプションを行うなどして、相手のフットワークを乱し、身体のバランスを崩させ、重心のコントロールを失わせ、打球に間に合わなくさせる。そして、相手を受け身の戦局に追い込む。
  4. 相手の体力を消耗させる。
    ホームポジションから最も遠い相手コートの4隅を最大限利用して突き、シャトルの落下地点をコントロールする。一点を争う間も、できるだけたくさん打って、相手を動かす、走らせる、無駄に打たせる等し、相手の消耗を待って攻撃を仕掛ける。自分自身は体力の保持に努める。

チャンスはわずかで、来てもすぐに消失してしまいます。正しく局面を読み、守備的な状況にあっても主体性をもって、適切な選択を果敢に行うように努める戦術意識が重要です。

常に保持すべき戦術意識とは

禹開(うかい)コートの前後、左右、全体にアトランダムに打球し、相手を大きく動かしてホームポジションから引き離すこと。
重複球2度またはそれ以上連続して相手の特定のゾーンのポイントを攻めること。
下圧相手がリアコートの高い打点から打ち下ろしてきたスマッシュ、ドロップなどをネットより高い打点でプッシュ等で反撃し、相手を守勢に追い込むこと。
追身球相手のフットワークが定まらない内に、ボディーへのアタックを仕掛けること。
吊上網ドロップをショット後、これを追ってネット際にポジショニングして、相手のネット際への返球を捕らえ、プッシュ、ヘアピン、クロスネット等で連続して攻撃すること。
殺上網スマッシュをショット後、これを追って素早くネット際に寄せる。相手の甘い返球を、プッシュ、ヘアピン、クロスネット等で連続して攻撃すること。
四方球相手コートの四隅に打ち込み、相手をホームポジションから追い出し、チャンスを見て攻め込むこと。
仮動作ディセプションのこと。相手の判断のエラーを誘う。
突撃突然、移動速度を速め、ジャンプを加えて、シャトルをインターセプトしてスマッシュし、相手に防
御する間を与えない。

1980年代から圧倒的な強さを見せた中国バドミントンの戦術思想を紹介しました。当たり前のことかもしれませんが、中学生にとっては貴重な資料になると思い紹介しています。

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