練習課題を考える(中学生)

中学校のバドミントン部で指導を始めた先生に向けて練習課題を考えてみました。中学校からバドミントンを始めた初心者の子どもが関東大会に出場するイメージでの練習課題です。どんな練習課題をクリアしていけば上達するのか?ガイドになればと思います。

ご意見やご感想があればコメント欄にぜひお願いします。

練習課題 概要 基礎基本 シングルス ダブルス その他
1 基礎体力作り 1年生が夏休みの練習に耐えるだけの基礎体力を養成する。
2 ラケットワークの基礎 回内、回外、リストスタンド、フォアバック持ち替えなど、ラケットワークの基本を習得する。
3 基本姿勢 構え方、パワーポジション、など
4 フットワークの基礎 1歩目を素早く、最後の1歩を大きく、プッシュオフ、ブレーキ、など
5 動き出し リアクションステップ、重心移動、チャイナステップなど
6 色々な動き方 ステップ練習。バックダッシュ、ツーステップ、クロスステップ、サイドステップ、スキップ、ジャンプの種類、など
7 ホームポジション 動きの起点、ホームポジションから移動、戻り、ポジショニング、など
8 シャトルフライトに慣れる 色々なノックなどで慣れる。
9 ヒッティングの基本 各種ストロークを習得する。
10 半面シングルス 各種ストロークの組み合わせ。最初の戦術意識。前後に長い。相手を前後に動かす。チャンスボール(ネットの浮き球、浅いクリアー・ロブ)をスマッシュ。
11 コースを狙う意識 半面にもサイドライン、コーナーがあるので狙う意識をつける。
12 全面コートの感覚を身につける 半面は全面の約6割。コートを広く使う感覚、カバーする感覚を身につける。
13 技術の自動化 各種ストロークを意識しなくても移動して打てる。
14 戦術意識の基礎を身につける。 前後、左右に打ち分ける。オープンスペースを作り攻める。チャンスボール(ネットの浮き球、浅いクリアー・ロブ)を積極的に攻める。サーブで相手を動かす。
15 ポジショニング シャトルの位置、相手の姿勢、自分の姿勢に合ったポジションと、シャトルを待つ姿勢が取れるようにする。
16 ストロークの打ち分け 各コーナーから各コーナーへ様々なストロークを同じような打ち方で打ち分ける
17 対角線の守備 コートで一番長い対角線を守れるフットワーク、打ち方を身につける。
18 対角線の攻撃 コートで一番長い対角線を動かす攻撃を身につける。アタックロブ、ロブの高さなどに注意
19 クロスへのショット 全面感覚を意識して、クロスネット、クロスへのレシーブを練習する。
20 リピートショット 相手の行きたい方向に行かせない。同じコースを2度打ち、3度打ちなどを身につける。
21 角度を意識する コート内の移動には、0度、180度、90度、45度、135度など様々な角度がある。角度を意識して攻める。守る。
22 クリアー力をつける クリアーで押せる。押し返せる力を身につける。高さを意識する。ハイクリアーとドリブンクリアー、ストレート、クロス。ポジションへ戻るリズムも意識する。
23 粘る オールロング、オールショート、1点返し等でコートをカバーする力を身につける。しっかり足を運ぶ。ミスを減らす。
24 シングルスのレシーブとヘアピン 自分のコートで山を作り、ネット近くにコントロールする。
25 スマッシュからの攻撃 スマッシュを起点にした攻撃を身につける。スマッシュの緩急を身につける。
26 ジャンプして打つ。 サイドオンジャンプとシザージャンプを使い分ける。
27 苦しい体勢から打ち分ける。 苦しい体勢から各コーナーへ打ち分ける。ハイバックも習得する。
28 攻撃原則 決め球につなげるため、常に相手を崩すストロークを打つように意識する。
29 インプレーを心がける 常に100点のストロークではなく、80点で良いので続けることを意識する。厳しく攻めてエラーしない。
30 オープンスペースを攻める。 相手を動かし、オープンスペースを作り攻める意識を持つ。
31 突撃 時々シャトルを打つテンポを速め、攻め切る。
32 ラリーのテンポを身につける。 相手が打ち、自分が打つ。イチニのテンポ、ハイクリアーなどが入ると、イチニーサンのテンポでラリーを行う。
33 フォーメーションを作る 2対2からのスマッシュ交互、ドロップ交互でT&B、SbySのフォーメーションの基本を身につける。
34 フォーメーションのスピードアップ 2対2のロブを低くする。レシーブが浮いたら叩くなどして、フォーメーションを早く作れるようにする。
35 サーブ バックハンドサーブの打ち方を習得する。コースを打ち分ける。ショート・ロングを打ち分ける。間を身につける。
36 サーブレシーブ ラケットを立てて、前衛にカットされないコースを攻める。コースを打ち分ける。逃げは大きく高く。
37 3球目攻撃 相手のサーブレシーブから3球目を沈める攻撃ができるように意識する。サーブを打って意識を休まない。
38 4球目攻撃 サーブレシーブから相手を崩し、返球をより前で、高い位置でとらえ、厳しく4球目を攻める。
39 ロングサーブの対応 ツーステップで素早く下がり、サーバー中心にスマッシュを打ち返す。パートナーは前に入り返球をカバーする。
40 T&Bの前衛の役割意識を身につける。 前衛は後衛の作ったチャンスボールを叩く、後衛が攻撃を続けられるように、崩す。中間ボールを上げさせる。
ポジショニングを意識する。
41 T&Bの後衛の役割意識を身につける。 コート奥からはなかなか決まらない。前衛にネットの浮き球が返球されるように崩す。ポジションを上げる。
42 前衛の仕事 ラケットを上げて準備をする。前でシャトルを触る。大振りではなく、握りこみで。体から離れた球は落とす。前へ行くほど、返球は早く、コンパクトに打つ。
43 前衛の仕事② ストレートケア。後衛が打ったコースのストレートへの返球をふさぐ。後衛がネットに打ったら、プレッシャーをかけて、上げさせる。
44 後衛の仕事 相手を崩す。ストレート、センター中心に攻める。緩急を意識する。サイド移動をし、攻め続ける。
45 スマッシュのコース ストレート、センターを中心に打ち分ける。ストレート中心に返球させるように配球する。
46 崩す 緩急を意識する。センターへのドリブンクリアー、スマッシュとドロップ、カットの割合にも注意する。同じコースに連続して打ち込まない。構えを振るように配球する。
47 二等辺三角形の守備 SbySでは、シャトルの位置によって、二等辺三角形の守備をする。ストレートサイドへ一歩寄る、クロス側はその上で一歩前で守る。
48 レシーブ力を高める 面を作って、シャトルをとらえる。準備をしっかりする。レシーブやロブの高さによって、構えの高さを変える。ロングレシーブ、ドライブレシーブ、ショートレシーブを打ち合分ける。ネットへは長くなっても、浮かない。
49 SbySからの攻撃 T&Bを左右に振る。レシーブやロブで後衛を左右に動かし、浮いたスマッシュを打たせる。または、クリアー、ドロップで逃げさせる。
50 ドライブからT&Bへ 強いドライブで前衛を抜き、後衛にネット下で取らせる。ドライブを打った人がネット前を狙い、パートナーは上がってくる球をスマッシュする。T&Bへ移行する。
51 ショートレシーブからT&Bへ ショートレシーブからネット前でプレッシャーをかけ、相手の前衛にロブを上げさせる。T&Bへ移行する。
52 逃げは大きく高く 相手の攻撃が厳しく、フォーメーションが乱れたときは、大きく高く相手コート奥に返球し、SbySを整えて、ラリーをリセットして備える。
53 ローテーション T&Bをできるだけ続けられるように、コート内のオープンスペースをカバーするように動く。ノックや2対1などで習得する。
54 T&Bの動き 原則、前衛、後衛は平行移動する。前衛は後ろに上がった方向に動き、後衛がスマッシュを打った方向に寄りストレートケアをする。
55 ローテーションする場面 中間ボールを攻めてローテーション。ドライブからポジションを上げてローテーション。3点カバーをしてローテーション。
56 ノーロブ ショートドライブ、アタックロブ、ドライブ中心にシャトルを上げない。テンポを早める。ただし、返球もはやくなるので、準備をしっかりする。
57 ダブルスの突撃 シャトルをより前で、早く、タッチを早める。
58 一人を攻める。 力に差があるペアなどは、弱い一人を攻める。
59 2人を攻める。 センターを中心に攻める。二人で手を出す。お見合いするなど。特に左右のペアには有効。
60 リラックス法 呼吸法(腹式呼吸の深呼吸)、筋弛緩法でリラックスに取り組む。逆U字(リラックスしすぎてもいけない。緊張とのバランス)
61 メンタルリハーサル 実際の試合をイメージして、直前に行う行動のルーティーンを決めて行うようにする。例えば、ガットを整えてから構える、など
62 イメージトレーニング 試合の動画を見たり、実際の試合を見て、戦術などをイメージする。全体を見る。部分を見る。使い分ける。
63 目標設定 長期目標、中期目標、短期目標を決める。目標は実現可能で、努力して達成できる目標を設定する。目標を分解してスモールステップで設定する。
64 試合への準備 1週間前から疲れをためないように注意する。早寝早起きの習慣、入浴を行うなど体調を整える。超回復も意識する。
65 情報収集 対戦チームや対戦相手の情報を集め分析する。利き手、得意ショット、苦手なプレー、強み、弱みなどの情報を集めておく。会場の特徴なども事前に知れればなおよい。
66 試合会場へは早く行く 新しい環境に慣れるために、対戦相手などよりも早く会場に行き、会場の環境、雰囲気などにいち早く慣れるように努める。
67 アップ 朝、いつもの通り、いつもの手順でアップを行う。筋温を上げることを意識する。じわっと汗をかく位にする。試合間も試合番号を見て、アップを行うこと。コートに入ったらフットワークで筋温を上げる。
68 暑さ対策 氷嚢、氷などを準備して暑さに備える。マネージャーはインタバルで使用できるように常に準備しておく。
69 疲れ対策 アミノ酸などを準備して、試合の疲労回復に努める。
70 戦術の基本 強みを潰し、弱みを攻める。自分の強みで戦う。戦術は2つ以上準備しておく。相手を消耗させる。情報収集、分析が重要。
71 練習試合の使い方 自信をつける相手、競る相手、挑戦する相手、実際のリハーサルなど意識して使い分ける。
72 アドバイス ゲームの流れを分析して伝える。相手の狙いを分析して伝える。戦術の狙いを伝える。自分たちのペースで戦っているか分析して伝える。積極的に戦っているかどうか分析して伝える。準備の遅れななどないか伝える。メンタルの状態を聞き取り、対応を伝える。声を出し、メンタルやパフォーマンスをアップさせるように伝える。